探偵業法
探偵業に関する法律として「探偵業法」という法律があります。この法律の目的は同法第一条に以下のように記載されています。
第一条(目的)
この法律は、探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の運営の適正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することを目的とする。
第二条の探偵業の定義等も記載されていますが、以前から顧客とのトラブルが起こりやすかった探偵業界を法的に規制する目的で作られた法律です。
探偵業法違反とは
この探偵業法に違反すると、行政処分や刑事罰を受けることになるのですが、「探偵業法違反」とは具体的にどのようなケースが当てはまるのかそれほど知られていないのではないかと思います。
そこで、下記のように具体的項目を書いてみました。
無届けによる営業
探偵業は届出が義務づけられていますので、無届けによる営業はもちろん違反となります。
欠格事由のある者の営業
欠格事由とは言い換えれば「資格を持たない」ということで下記項目が該当します。
- 禁固以上の刑、もしくは探偵業法違反による罰金刑を受けてから5年を経過していない。
- 破産者であり復権していない。
- 暴力団員、又は暴力団員でなくなってから5年を経過していない。
- 成年擬制を経ていない未成年者、もしくはその法定代理人が上記項目に該当する。
- 法人で役員のいずれかが上記項目に該当する。
探偵業の名義貸し
他人に探偵業の看板を貸すことは禁止されています。
人の生活の平穏を害する行為
探偵の尾行や張り込みは原則として合法ですが、具体的には対象者などに不安や恐怖を与える尾行・張り込みはしてはいけないということです。
書面の交付を受ける義務違反
ここでいう書面とは「誓約書」のことで、調査結果を犯罪や違法・差別行為に用いない、という内容を依頼者に誓約してもらわなければなりません。
重要事項説明義務違反
探偵業者は契約に際しては、探偵業法に定められている「重要事項」について事前に依頼者に説明をしなければなりません。
重要事項にはいくつか項目がありますが、調査にかかる費用・経費の金額(概算額)、支払時期、支払い方法、契約の解除に関する事項、個人情報保護に関する事などが特に重要になるでしょう。
契約の内容を明らかにする書面(契約書)の不交付・不備
契約の内容とは、まず、行動調査なのか所在調査なのか、といった調査の内容に関すること、契約時間や契約料金等についてです。
重要事項説明の内容と重複していますが、こちらは契約内容のみに関する書面となります。
犯罪への加担・差別調査
調査結果が犯罪行為や差別・違法調査に用いられると知った時は、探偵業者はその依頼を受けてはなりません。
無届け探偵業者への業務委託
探偵業界には「下請け」という慣習がありますが、この下請け業務を無届け営業の探偵に委託してはなりません。
守秘義務違反
「個人情報保護法」の遵守が義務づけられており、調査で入手した情報は漏洩させてはななりません。
探偵業法違反による処分
同法に違反した場合は、営業停止や営業廃止などの行政処分や、懲役・罰金などの刑事罰を受けることになります。
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