未成年者と浮気・不倫した場合
最近は未成年者でも浮気や不倫をしているケースが多いのではないかと思われます。
配偶者(夫・妻)が未成年者と浮気・不倫した場合、どうなると思いますか?
本来なら配偶者との淫行の罪の心配もせねばなりませんが、ここでは未成年との不貞行為がどうなるかについて書いてみたいと思います。
1.未成年と浮気した配偶者
未成年者を相手に浮気した配偶者はどうなるのか?
配偶者のある者(夫・妻)が配偶者以外の者と性交渉を持った場合に不貞行為が成立します。
相手が風俗嬢などでも成立しますので、基本的に相手方の事情は関係ありません。
ですので、相手が未成年かそうでないかも関係なく、配偶者の不貞行為が成立するということになります。
2.浮気した未成年
では逆に、未成年者が浮気・不倫した場合はどうなるのでしょうか?
一般的に未成年者には「親の同意がないと契約できない」「犯した罪は大目に見られる」等のイメージがあるかと思いますが、未成年者の責任については民法に定めがあります。
(責任能力)
第712条
未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
この法律では「自己の行為責任の弁識能力がない未成年者は、他人に加えた損害の賠償責任を負わない」と書かれていますが、弁識能力の適用基準は11~12歳までとされているようです。
不貞行為は民法709条の不法行為のため、加害者には損害賠償(いわゆる慰謝料)を支払う責任があります。
そして、この基準に照らし合わせると、中学生の年齢などでも賠償責任を問われますが、実質的には責任はあっても支払能力を持たないという結果になりそうです。
一応、未成年者が責任能力を持たないと判断された場合は、その監督義務者(通常は親)が責任を負うという法律もあります。
(責任無能力者の監督義務者等の責任)
第714条
前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
ただし、親の監督義務違反と子供の不倫に相当因果関係がなければならないとなっているので、実際に適用するにはややこしいことになりそうですね。
こういったケースではとにかく、大人である配偶者の方の責任を追及すべきなのかもしれません。
3.成年擬制の未成年
成年擬制とは、未成年者が婚姻した場合に「実年齢が成年に達していなくても契約などの法律行為では成年と同じように扱う」という法律です。
(婚姻による成年擬制)
第753条
未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。
未成年でも婚姻していれば契約ができるということなので、民事的な責任を逃れることもできなくなります。
そしてこれは一度でも結婚すれば、離婚したとしても成年擬制は消えることはありません。
つまり、一度でも結婚したことのある未成年者が浮気・不倫をした場合は不貞行為の責任を問われます。
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